『GOAL』では8月5日に控える新シーズン開幕を前に、現時点でのビッグクラブの補強と戦力評価を実施(プレミアリーグの移籍市場は9月1日まで)。第2回は、今夏に積極補強を敢行したトッテナム編だ。※文中の評価はB~SSの4段階(TOP6相対評価)
【IN】
リシャルリソン[エヴァートン/完全移籍]
イヴ・ビスマ[ブライトン/完全移籍]
ジェド・スペンス[ミドルズブラ/完全移籍]
イヴァン・ペリシッチ[インテル/フリー移籍]
フレイザー・フォースター[サウサンプトン/フリー移籍]
クレマン・ラングレ[バルセロナ/ローン移籍]
【OUT】
ステフェン・ベルフバイン[アヤックス/完全移籍]
キャメロン・カーター=ヴィッカース[セルティック/完全移籍]
ジャック・クラーク[サンダーランド]
昨季は4位に滑り込み、チャンピオンズリーグ出場権を獲得したトッテナム。その影響もあり、今夏には積極補強を見せる。リシャルリソン、イヴ・ビスマといったプレミアリーグの実力者を加えると、イヴァン・ペリシッチはフリー、クレマン・ラングレはレンタル移籍と、市場では見事な立ち居振る舞いとなっている。他クラブほどのビッグネームはいないかもしれないが、アントニオ・コンテ監督らしい補強でチームスタイルにフィットした人材を加えた。エースのハリー・ケインにバイエルン・ミュンヘンが興味を示しているという噂もあるが、実現の可能性は低く、主力も残留しどのポジションにも充実した陣容を備えている。
守備陣に目立った放出はなく、フレイザー・フォースター、クレマン・ラングレ、ジェド・スペンスが新たに加わった。フォースターは第2キーパーとなることが予想されるが、ラングレやスペンスがポジション争いに食い込めるかが焦点となる。いずれもプレミアリーグ経験がなく、前者に関してはイングランドでのプレーも初。フランス代表まで上り詰めているだけに実力は確かだが、スタイルや土地に適応できるかは別の問題となる。とは言え、現有戦力でも昨季はリーグ4位の失点数であり、新シーズンは純粋な上積みがあると見ていいだろう。
昨季レンタルしていた余剰戦力が戻ってきたこともあり、人員は豊富な中盤。今夏に加わったのはイヴ・ビスマとペリシッチ。昨季まではピエール・エミル=ホイビュアの負担が大きかったため、守備でフィルターとなれるビスマの存在は大きいだろう。そして、インテル時代からコンテと厚い信頼関係を築いたペリシッチは、プレシーズンではウイングバックとして起用。33歳でプレミアリーグ初挑戦という事実は気になるものの、指揮官のスタイルをよくわかっていることはポジティブ材料だ。また、ハリー・ウィンクスやジオヴァニ・ロ・チェルソ、タンギ・エンドンベレといった構想外選手たちの扱いにも注目が集まる。
ここ数シーズン、ケインとソン・フンミンのコンビネーションがプレミアリーグでは猛威を振るってきたが、昨季後半戦ではユヴェントスからデヤン・クルゼフスキも加入。すると、クルゼフスキもすぐにチームにフィットし、魅惑のフロント3を生み出した。そして今夏、リシャルリソンがエヴァートンから加入。どのような並びにするかは不透明だが、ケインとソン・フンミンを中心にリシャルリソン、クルゼフスキがサポートする形となるだろう。また、ルーカス・モウラやペリシッチも前線でプレー可能であり、前線の選手層の厚さは補って余りあるほどだ。