ネイマールがPSGで迎える新しい夜明け。メッシとエンバペ退団でクラブの顔に
7月初旬、パリ・サンジェルマン監督就任が発表されたルイス・エンリケはネイマールについて言葉を選んだ。他国への移籍が取りざたされていた当時、新監督はネイマールがクラブに残るかどうか名言を避けたのだ。シーズンが始まるまで、どんなチームになるか自分でもわからないと認めたのである。
それでもPSGはネイマールを欲していたかもしれない。キリアン・エンバペは契約を延長する気はないと発表し、PSGの選手でいる時間は終わりを告げつつあるように見える。リオネル・メッシはすでに出て行った。フロリダでの休日が伸びたことで、GOATはヨーロッパから誘い出されたのである。
そして、ネイマールだけが残る。ひどい中傷を受けつづけていたスーパースター・トリオのオリジナル・メンバーが再び一人きりとなる可能性がある。振り返ってみれば、すべてがまったくうまくいかなかった。それも、かなり早い段階から。他のビッグネームが加入するにつれて、ネイマールの影響力と評判は衰えていった。自分ではどうしようもない、足首や中足骨、内転筋のケガという要因もあったが、どんちゃん騒ぎのパーティーや勝手きままな休暇をといった、自業自得の面もあった。
PSGに加入して5年。少なくともネイマールというエリート・サッカー選手にとって、無駄な時間だったように思われる。彼がパリにやってきたのは、個人的な栄光のためだった。ネイマールはチームを走らせ、願わくはバロンドールを獲得したかったのだ。ピッチ上での成功、特にチャンピオンズリーグ制覇は、彼の中の優先順位としては僅差の2番目だったろう。
だが、今はリセットの時だ。ネイマールはまたしても主役になるチャンスを得た。しかも今度はプレッシャーなしだ。PSGはパルク・デ・プランスにチャンピオンズリーグのトロフィーをもってくることを期待されていないし、メディアの注目の的にもならないだろう。エンバペのレアル・マドリー移籍は必然的であり、そうなればマスコミの目は、否が応でもサンティアゴ・ベルナベウに向けられる。
その代わり、ネイマールは興味深く発展途上のチームにおける最高の選手として、片足だけでスポットライトを浴びることができる。そしてそれこそが、気まぐれなブラジル人が、傾きつつあるように見えるキャリアを復活させるのに必要な環境であろう。