浦和、名古屋の批判声明に異例の公開反論「指摘は事実に即していない」…違反行為のサポーターには処分
浦和レッズは12日、名古屋グランパス戦についての声明を発表した。
9日に行われた明治安田生命Jリーグ 第7節、名古屋グランパス戦で複数の違反行為が確認された浦和。聞き取り調査を含めた事実確認が完了したことをと報告し、立ち入り禁止エリアへの侵入行為と横断幕掲出禁止エリアへの横断幕掲出行為を行ったサポーター5名に対しては、4月12日(水)以降に開催される、浦和レッズのホームゲーム3試合への入場禁止を決定。(ホームゲーム入場禁止期間内に開催されるアウェイゲームも入場禁止の対象試合に含む)
また、警備員への暴行と思われる行為を含む諍いをしたサポーター1名に対しては、4月12日(水)以降に開催される、浦和レッズのホームゲーム10試合への入場禁止を決定している。(ホームゲーム入場禁止期間内に開催されるアウェイゲームも入場禁止の対象試合に含む)
そして、浦和は同時に「名古屋グランパス様による4月10日の情報発信について」との声明も発表。
「2023年4月10日に名古屋グランパス様がウェブサイト及びSNSに掲載されました、『浦和レッズ戦における浦和サポーターの違反行為について』という発信について、一部浦和レッズの認識とは異なる点がございますため、以下に私どもの認識を記させていただきます。」と、異例の公開反論を行った。
名古屋の『クラブ間で合意した内容を独自に書き換え』については、「浦和レッズからの発信内容について、使用文言等の事前合意が存在していたという認識はございません」とし、「『書き換え』という表現は相互に添削を行うなどのプロセスがあった場合に用いられるべきであると考えており、一連の弊クラブによる発信内容はそれに当たらない」との認識を明かした。
『3/19(日)の浦和レッズ発信から試合開催まで追加の協議を行った事実はないにもかかわらず、2階から1階への座席位置変更の協議を継続しているかのような発信』については、以下のように説明した。
「浦和レッズによる発信内容は『協議を行なってまいります』としており、『行なっています』『行いました』と記してはおりません。加えて、当該発信以降にも弊クラブからは協議を持ちかけていたという事実には触れず、弊クラブからEメールにて、2階席での立ち見の安全性に関する名古屋グランパス様から関係各所への確認の有無に触れた際にも、その点にはご回答をいただけなかった経緯もありながら、結果的に協議が実現しなかったことを理由に弊クラブがファン・サポーターのみなさまに対して虚偽の報告を行ったという受け取り方もできてしまうこちらの表現は不適当であると考えております」
最後に『チケット振替の対応について、当初から振替に必要な座席数を確保し、試合当日のスタジアムでは名古屋グランパスが対応することを両クラブで確認を終えていたにもかかわらず、浦和レッズのスタッフが振替対応を行うと誤認させるような発信』については、長文で反論を行った。
「早期に振替券が予定枚数終了になったことに対し多くのお問い合わせを頂戴していたことから、正当な権利を持つ浦和レッズサポーターのみなさまが引換券を入手できず、ロアースタンドでの観戦可否についてご不安に思われているという状況を私どもは把握しておりました」
「そのため浦和レッズから名古屋グランパス様へ、対応方針についての情報を発信いただけるよう複数回に渡ってお願いいたしましたがいずれもご賛同いただけませんでした。そうした一連のやり取りの中で、『振替に必要な座席数の確保』という情報は確かに得ておりましたが、名古屋グランパス様が当該情報を発信されていない中で弊クラブからその情報を発信する訳にもいかず、弊クラブスタッフが現地でサポートさせていただく旨の発信を行うことで浦和レッズサポーターのみなさまのご不安を少しでも取り除こうと試みた次第です」
「加えて、それを実行するために通常時の2倍以上の人数でアウェイゲーム対応の体制を組み当日を迎えました。『浦和レッズのスタッフが振替対応を行うと誤認させるような発信』とのご指摘ですが、弊クラブによる発信内容は『サポートいたします』としており、名古屋グランパス様のスタッフ様へのお取次ぎや動線案内など、端的に申せば私どもでできる範囲のことを何でもやろうという考えでスタッフは現地入りしております」
「言わずもがなこれらの行為は名古屋グランパス様にご迷惑をおかけすることを目的とした訳ではなく、豊田スタジアムまで駆けつけてくださる浦和レッズサポーターのみなさまのサポートを申し出たことに対し、あたかもスタンドプレーであるかの様なご指摘は事実に即していないと考えております」
名古屋グランパス 4月10日の声明
明治安田生命J1リーグ第7節浦和レッズ戦において、浦和サポーターによる「Jリーグ試合運営管理規定」および「名古屋グランパス観戦ルール」への重大な違反行為が確認されました。
・立ち入り禁止エリアへの侵入(Sスタンド2F前列および同中央大型ビジョン前エリア)
・横断幕掲出不可エリアへの横断幕掲出(同上)
・事前の申請・許可なくSスタンド2Fの座席への装飾物貼り付け
・警備員への頭突き・胸倉をつかむなどの暴行行為、並びに名古屋サポーターへの威嚇行為
・禁止エリアの横断幕撤去を行おうとする弊クラブスタッフ・警備員に対する「横断幕を撤去すれば乱闘も辞さない」などの威嚇・恐喝発言
・上記違反行為者に対する強制退場命令の拒否
名古屋グランパスでは、入場ゲートの開場直後に1、2、3の事象が発生したことを確認し、警備スタッフによる対応をおこなっていたところ、4の事象が発生いたしました。
その後、マッチコミッショナー・Jリーグおよび浦和レッズと両チーム実行委員同席の元で協議を行い、Jリーグ関連規則に則ってホーム・アウェイ両クラブで該当事象に対応することを確認いたしました。浦和レッズよりキックオフ前に1、2、3の事象が解決されるように対応する旨の申し出がありましたが、キックオフ10分前の時点で事案が解決されなかったため、ホームクラブでの対応を行ったところ、5、6の事象が発生した経緯となります。
試合後に再び同様の出席メンバーで上記違反行為の事象および事実確認を行い、違反行為を行った該当者に対しては、浦和レッズが該当者を特定した上で、Jリーグ罰則規定に則った厳正な処分を行うことを確認しております。
また、主管クラブといたしましては、今回上記の各違反行為を防止できず、ご不快な思いをされたすべての皆さまに深くお詫び申し上げます。今後も試合運営管理規定順守の周知を徹底し、ご来場いただく皆さまが安全で安心なご観戦を行っていただけるよう努めてまいります。
なお、今回チケット発売後にSスタンドの運用変更を行ったことでご迷惑をおかけした浦和レッズサポーターおよび名古屋サポーターの皆さまにあらためてお詫び申し上げます。
しかしながら、試合時に発生した上記の違反行為は、運用変更における当クラブの瑕疵と独立した試合運営規則の違反行為であり、多数のご来場者ならびに運営スタッフの安全・安心を脅かす行為で、決して許されものではありません。
また、Sスタンド運用変更に伴う浦和レッズの各種発信においては、クラブ間で合意した内容を独自に書き換え、以下のように事実と異なる認識を与えてしまう発信となることがありました。
・「アウェイ応援席」の座席位置について、3/18(土)のチケット発売前には名古屋グランパスと浦和レッズ両クラブ間で確認を終え、その後3/19(日)の浦和レッズ発信から試合開催まで追加の協議を行った事実はないにもかかわらず、2階から1階への座席位置変更の協議を継続しているかのような発信
・チケット振替の対応について、当初から振替に必要な座席数を確保し、試合当日のスタジアムでは名古屋グランパスが対応することを両クラブで確認を終えていたにもかかわらず、浦和レッズのスタッフが振替対応を行うと誤認させるような発信
これらの発信および今回の浦和サポーターによる違反行為は、クラブ間の信頼関係を失墜する行為として、大変遺憾に思っております。
サッカーを愛するすべての皆さまが、お互いにリスペクトの精神をもって、日本のサッカーを共に盛り上げていけることを願っています。