ブーイング受ける“史上最高選手”…なぜ現地PSGファンはメッシの退団を望むのか「守備ができない」「良い手本になれていない」
パリ・サンジェルマン(PSG)に所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの周囲が慌ただしくなっている。
PSGは、2日に行われたリーグ・アン第29節でリヨンに0-1で敗戦。この試合前には、選手紹介アナウンスの際にメッシの名前がコールされると、パルク・デ・プランスの一部サポーターからブーイングが起こったことが大きな話題となった。
2021年に大きな期待と共にPSG入りしたメッシは、加入後ここまで公式戦67試合に出場して29ゴールを記録。シーズン中にワールドカップ(W杯)を制して「史上最高の選手」との評価を得た男は、今季も公式戦33試合で18ゴール17アシストと結果を残している。それでも、PSGファンから今季限りとなっているワールドカップ王者との契約延長を望まない声が出ているのはなぜか。『GOAL』のPSG番記者を務めるマルク・メシェノーが現地のサポーターに直接、その理由を聞いた。
多くのファンがメッシに対する不満として、「アルゼンチン代表でのプレーに比べてモチベーションの低さが明らか」という点を挙げた中、エリアスさんは同選手が今季チーム内における最高の選手であることを認めつつも、「PSGに対する彼のモチベーションは下がっている。それがお互い、フラストレーションになっている」と説明。また、マテューさんはメッシが試合後などにサポーターに挨拶する場面が極端に少ないことなども指摘し、「繋がり」の欠如を嘆いた。
「バロンドールや世界王者となった選手に相応しくないし、良い手本になることができていない。『コレクティフ・ウルトラス・パリ』(PSGウルトラス)は、より選手との繋がりを求めている時期だ。メッシの獲得はスポーツ面よりもマーケティング面が色濃く、この2年間を見てもスポーツ面での利益は小さい。共に歩むことは両者をさらに傷つけることになる」
また、ヤニスさんは「必ずしも攻撃に特化しなければいけないわけではない。ネイマールとのポジションや役割からして、基準点となれるセンターフォワードタイプの方が必要だし、守備を免除される選手を(キリアン・エンバペと)2人も抱えることができない。メッシはデュエルに全然勝てない」とスポーツ面でも満足していないことを強調した。
「メッシはポゼッションとテクニックを活かす古いフットボールを体現する選手だ。今のフットボールはより激しいものとなり、デュエルやカウンター・プレッシングで構成されるようになった。2023年、もはや守備をしない選手を保有する余裕はない。メッシは守備ができないだけではなくボールロストも多いし、ラ・リーガよりもプレーが激しいリーグ・アンに適しているとは言えない」
そのほか、「メッシの給与が浮けば、移籍市場で今季よりも良い補強ができるはず」と金銭面での負担を気にする声も。バルセロナ復帰も現実味を帯びているメッシだが、このままフリーでPSGを去ることになるのか、引き続きその去就に注目だ。