練習復帰もエンバペは契約延長望まず、PSGは契約解除金317億円の新契約を希望? 現状を有力メディア分析
パリ・サンジェルマン(PSG)のトップチームに合流したFWキリアン・エンバペの状況について、有力メディア『The Athletic』が分析している。
2017年にPSGへ加入し、クラブ最多得点記録である212ゴールを奪うエンバペ。しかし今夏の去就が大きな話題となっており、現行契約が残り1年に迫る中、1年間の延長オプションを行使しないことを公言。新シーズンもPSGでプレーする意欲を示しているが、PSGのナセル・アル・ケライフィ会長は「フリーで出て行くことはできない」と断言した。さらに今夏の日本ツアーのスカッドから外れると、リーグ・アン開幕戦もベンチ外となっている。
しかし13日、PSGは「建設的かつ前向きな話し合いの結果」としてエンバペが主力メンバーに合流したことを発表。すでにチームトレーニングに合流しており、20日の第2節トゥールーズ戦から出場することが予想されている。
『The Athletic』によると、エンバペがスタンドで見守ったロリアン戦(0-0)には弟のイーサンをはじめ、両親や関係者も観戦に訪れていた模様。そしてエンバペは試合前後の1時間、ナセル・アル・ケライフィ会長とルイス・エンリケ監督、アドバイザーのルイス・カンポス氏と会談し、チーム復帰で合意に達したという。
そして同メディアによると、今後の展開について分析。PSG側は今回の合意により、今夏にはもう放出を考えておらず、また来夏のフリー移籍を防ぐために契約延長を熱望。そして様々な提案を考えつつ、契約解除条項2億ユーロ(約317億円)の設定も検討しているようだ。一方でエンバペ側は選択肢の1つとして、契約を延長せず、さらに7月31日以降も残留することによって発生したとされるロイヤリティボーナスを受け取らないことも検討しているという。なお、エンバペは昨年に給与だけで2億ユーロを手にしているようだ。
また『The Athletic』は、今回の合意はPSGが今夏エンリケ監督の就任や開幕戦で示した明確なプランが影響している可能性が高いとも指摘。友人であるウスマン・デンベレの加入だけでなく、エンバペにぴったりと当てはまるシステムの採用など、新たなプロジェクトは選手にとって魅力的だとしている。
その上で同メディアは、「この物語ではありとあらゆることが起こる可能性があり、練習復帰から残留までには長い道のりがある」と指摘。「すべてはまだ初期段階で、移籍市場も開かれている。しかし、今回の件は一歩前に進んだものであり、可能性が再びオープンになったことを示している。だが、この物語はいつでもひっくり返る可能性がある。最後の最後に裏切られたと感じたフロレンティーノ・ペレス(レアル・マドリー会長)に聞いてみればいい」とし、練習復帰によってエンバペとPSGの関係は一歩進んだものの、まだなにも決まったものはないと綴っている。