守田英正を狙うワケは?ラツィオの獲得候補浮上の背景を伊紙が分析
ラツィオが来年1月の移籍市場へ向けて、スポルティングCPに所属する日本代表MF守田英正の獲得を検討している背景を、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が分析した。
カタール・ワールドカップ(W杯)において、“死の組”グループEで優勝国のドイツやスペインを撃破する歴史的偉業を成し遂げ、世界の注目を浴びた日本代表。コスタリカ戦以降、3戦に先発出場した守田も「公式戦18試合に出場して3ゴールを挙げるなどスポルティングで見せていた良いシーズンに継続性を示す」こととなり、メルカートの注目株となった。
■ラツィオが守田をターゲットとした理由
イタリア紙は、ラツィオが日本代表MFの獲得に乗り出した理由を挙げている。まずは「指揮官の(マウリツィオ)サッリが中盤の再編にカバーリングの能力がある選手を求めている」点を指摘した。また、ラツィオは3人の中盤で構成されるが、その中央でプレーする「マルコス・アントニオはレジスタとして納得できるパフォーマンスを示しておらず、(ダニーロ)カタルディも過密日程の長いシーズンにおいて代役を必要としている」と説明している。
ただ、ラツィオは6月に1000万ユーロ(約14億円)を投じて獲得した22歳の若手ブラジル人MFの才能を「信じ続けている」。このため、今夏の移籍市場でもセビージャ行きが囁かれた「ルイス・アルベルトが退団することで、マルコス・アントニオは以降、インサイドハーフのポジションで起用される可能性がある」と指摘。これにより「守田の獲得を目指すことができる」としている。また日本代表MFについて「4人の中盤の中央よりのポジションでプレーしているが、彼のユーティリティ性でプレーの幅を広げることができる」との見解を示した。
イタリア紙はさらに、ラツィオが守田に関心を寄せるもう1つの理由として、コストを挙げている。ラツィオは、すでに夏の移籍市場において中盤の補強を計画。ヴェローナのイヴァン・イリッチをリストアップしたが獲得は失敗に終わった。しかし「日本人選手の移籍金は1000万ユーロに満たず、イリッチの半額」となっており、「この理由もあり、守田はラツィオのターゲットとなった」と指摘した。
ただ、財政事情において問題を抱えるラツィオ。流動指数をクリアするためにも、「クラブが補強するためには売却が必要となる」。そしてその放出リストにあるのが、先にも述べたルイス・アルベルトであり、「すべてはルイス・アルベルトの運命次第」となる。だが「セビージャとの距離は遠く、これまでのところ(ラツィオが)納得できるオファーはない」と説明した。