今夏の移籍市場、プレミアリーグが移籍金16億€を投じたのに対してラ・リーガは2.7億€…アトレティコCEO「プレミアとサウジは市場の現実を歪めている」

florentino gil marin
Getty Images
【欧州・海外サッカーニュース】アトレティコCEOが、プレミアとサウジが猛威を振るうが今夏の市場について語った。

アトレティコ・マドリーのミゲル・アンヘル・ヒル・マリンCEOは、今夏の移籍市場でプレミアリーグとサウジアラビアが「市場の現実を歪めている」との見解を示した。

今夏プレミアリーグはここまでに移籍金として16億ユーロを投じて市場を席巻。税制で優遇政策を敷くセリエA、さらにブンデスリーガ、リーグ・アンが獲得費用5億5000万ユーロ〜4億ユーロでプレミアに続き、過去に所属クラブの半分以上が破産法を適用した背景から自分たちで厳しいサラリーキャップを敷くラ・リーガが投じた額は2億7000万ユーロにとどまる。また今夏に猛威を振るうサウジアラビアリーグは、ここまでに4億4000万ユーロを支払っている。

ヒル・マリンCEOはアトレティコのオウンドメディアとのインタビューで、こうした状況について言及。プレミア及びサウジアラビアの金の使い方が現実世界に則していないとの考えを述べた。

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「パンデミックがすべてを劇的に変えてしまった。私たちはまだ完全に財政状況を回復できていない。だがそれはプレミアを除いて、だ」

「プレミアはかなりのクラブが赤字を出しているが、それは株主たちによって補填されている。彼らが赤字を出している理由は、高年俸や移籍金によってだ。プレミア、またサウジアラビアは市場の現実は歪めている」

「現在、フットボールは投資家たちにとって魅力があるものに変容している。アメリカの投資ファンドや中東の王族たちがクラブを買っていることからも分かるようにね。サウジアラビアに至っては、欧州のクラブに金を注ぎ込むだけでは不十分として、スター選手たちの獲得で国内リーグを強化しようとしている」

「ただし、サジアラビアには私たちの国のような税制もサラリーキャップも存在せず、短期スパンでも不透明な状況を生み出している。そうした状況は、自分や家族の未来を確かなものにしたい選手たちにとって、大きな不安となるだろう」

ヒル・マリンCEOはまた、アトレティコがアンカーの選手の獲得を目指していること、そのために2選手の放出が必要であることを明かしている。

「私たちは素晴らしいチームを擁していると思う。あとは中盤の選手の補強が必要だが、そのためには2選手を放出しなければならない。2選手の放出でMFを獲得すれば、サラリーキャップの範囲内でコストのバランスが取れるだろう」

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